トンネルのラジオ


ここでは、かつて私が体験した不思議な出来事について話したい。

ひとつ、前置きをしたいのは
分類的には恐怖体験だが、実際に幽霊を見たわけではない。

少し、

「あれ?」

って思った、その程度の出来事だ。


ある日、家族全員で母方の姉妹の家へと行った。
その家はとある島にあり、言葉には訛りが混じっている。
船で向かうその家は当時の私にはまさしく”海外”だった。

家につくと、いつもすぐ近くの海岸へと向かった。
季節によってはくらげのたまご海底あり、親戚のおにいちゃんはその皮?をむいて遊んだり
地面に叩きつけて飛散させて遊んでいた。

今思うと残酷だったが、当時はよくわからないが散り散りになる光景に笑っていた。

……クラゲから見れば、これが恐怖映像だよな。
ごめんよ……

で、まあ、何日立った頃。
そこそこ有名な観光地に行くことになった。

親戚のワゴン車に全員乗り込み、走り出した。
当時(今も)人見知りだった私は、すごいかまってくる親戚のおねえちゃんが苦手だった。
車では、その子が隣に座り、案の定かまわれつづける。

で。

とあるトンネルに入った。
そこでふと気づく。車の中にラジオが流れていた。
いつから流れていたのか、あれ?って。
相変わらずかまってくる親戚をあしらいながら、
やけにそのラジオが気になる。

耳をすます。

男の、低い声。

もっと、耳をすます。

……お経?

トンネルから出た瞬間、ぴたりとやむ。

背筋がぞくっとした。
あんまり喋らない子だったんだけど、思わず聞いたよね。
「いま、ラジオながしてたよね?」
って。
でもさ、みんな、「え?」って反応。

波状で運転手のおじさんに伝わったんだけど、
「つけてないよ??」
って返答。

「まじ?」ってまたぞくっとした。

でも、まあ、これだけなら聞き間違いかなとか
トンネル走るとゴオオオオって音するしそれかなって思ったんだけど

「もしかしたら、心霊現象?」

って。親戚のおにいちゃんが。

彼が言うには、その手で有名なトンネルだったらしい。
全国テレビでも出たことがあるらしい。

まあ、それだけ。
その後何があったわけじゃないけど、あの声はいったいなんだったのか。
今でもわからないままです。




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